ダークマイルド
マイルドは英国発祥のスタイルです。
マイルドという名称の最も古い記録は12世紀末のリースに関する記録に遡ります。
17-18世紀初頭、ペールエールの生産が始まります。
このころの英国のビールはハッキリとしたスタイルの分類ができません。
当時のポーター、スタウト、ブラウンなど、ペールビール以外は全部ブラウンビールと呼ばれていました。
ブラウンビールにはストックとマイルドがありました。
ストックはエイジングするビールで、マイルドはエイジングしないビールをさす名称でした。
つまり、エイジングによる(乳酸菌による)酸味のないビールを「マイルドな」ビールと呼んでいました。
19世紀中頃、ロンドンで消費されるビールの75%がポーターでポーターは強く、かつエイジングされるビールでした。
このころ、マイルドの消費は伸び始め、1870年代までポーターとマイルドは熾烈な競争を行なっていました。
1870年代になると、都市部でポーターのような強いビールの嗜好が衰えます。といっても、このころのマイルドの初期比重は1.070くらい(アルコール7%代)で、今の基準から言えばかなり強いビールでした。
1880年に初期比重に対する課税額の高騰でどんどん比重(アルコール度数)は下がってゆき、1906年で1.048(5%弱くらい)まで落ちます。
1920年代にマイルドはブラウンエールを指すようになります。
1940年代、英国での消費量の50%がマイルドになりますが、ビターが流行り始め、すぐに取って代わられます。
マイルドの比重はさらにさがり続け、以前とは違った物になり、少ない消費者がさらにビターに流れてしまいます。
1960年、初期比重は1.038(アルコール3%代)。
1980年、英国ではラガーとビターが圧倒的シェア。そしてマイルドは絶滅の危機に。
現在のマイルドのスタイルは
「最もライトなダークビール、ライトボディ、ライトアルコール、フレーバー豊かで複雑。軽いチョコレートとモルトキャラクターがバランスしホップキャラクター無し。」です。
クラフトビール時代のマイルドはアルコールが上がってます。
4%代から5%代が主流。3%代も少なくは無いですがマイナーな存在になってます。
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